今回は、電動キックボードの車体の高速化を目指すため、ハブモーター化について書いてみます。
おそらく多くの人がハブモーター?となると思いますので、そのあたりから説明します。
今主力で売られている小型の電動キックボードは250W出力のハブモータータイプのため、ほぼ無音に近い状態で快適に走行できるようになっていると思います。
ハブモーターに関する内容が以下のページに書かれていますので、紹介します。
その一方で、下記のような旧型の大型電動キックボードではチェーン駆動もしくはベルト駆動が主力となっており、高回転でDCモーターを回すことでベルトもしくはチェーンが駆動してタイヤを動かす仕組みになっています。
そのため、こちらのチェーン・ベルト駆動には以下のような問題点もあります。
1.摩擦によるパワーロス
ギア部分とチェーン部分との摩擦が起きることでパワーロスが発生してしまう。メルカリなどで速度出ます!という人がいますが、あれ嘘です。ゼウス等の36V 800Wクラスでも成人60kgの人が乗るとせいぜい20km/hがいいところ。
2.重い
モーター、スプロケット、チェーン等のパーツを取り付ける必要があり、結果的に総重量が増加してしまう傾向があります。
3.チェーン、ベルト駆動音の問題
仕方ないとはいえ、常にシャリシャリ音が聞こえるのは不愉快です。どの程度の不快な音かわからないと思いますので、動画を記事後半部で紹介します。
4.メンテナンス性の悪さ
錆、グリス切れ、チェーンはずれ等、メンテナンスの悪さが目立ちます。なぜならその都度ボルトを緩めてチェーンを外してからでないとメンテナスができないのです。
そこで、このパワーロス、重量化、騒音を避けるためにハブモーター(インホイールモーター)を取り付けてみます。
実際交換するにあたって、シャフト穴のサイズや細かなパーツの相性がどうなっているのか全く分かりませんので、そのあたりも含めて文字に起こしていきます。
必要な工具は?
1.コントローラーユニット
あくまでサンプルとして紹介します。
イグニッションスイッチ:
赤 (VCC)/黄
スロットル:
白 (スロットル信号入力)/
黒 (-) /
赤 (5 ボルト+)
2.ハブモーター型ホイール
8インチの350Wタイプのハブモーターです。元々後輪は10インチでしたが、テストを兼ねて8インチにしてみました。決して10インチのハブモーターの価格が割高だったからとは言えない…
伝え聞いた情報によると、チェーン駆動の500wより、ハブモーター350Wの方が速度が出るという情報もあったので、こちらを選んでみました。
さらにこちらのハブモーター型ホイールにはドラムブレーキが搭載されており、非常に便利になっております。
3.カプラーセット
今回はこちらの2種類のカプラーを使用しました。
4.パイプカッター
自作でスペーサー作るためにこちらを使用しました。
5.丸穴アルミパイプ
画像は後日
内径が12㎜~14㎜のものを購入。スペーサー用に丸穴パイプを購入しました。こちらをカットしてスペーサーにしてあります。
交換方法は?
まず、車体の後部の後輪、チェーン、DCモーター、チェーンアジャスター、シャフト、ブレーキキャリパー等を外します。詳しい外し方は動画を参照してください。
次に新しく購入したハブモーターホイールをつけます。シャフト上にはめる鉄のスペーサーはM10仕様になっているので、別途M12サイズ仕様の塩化ビニル製のパイプか、スペーサーを別途準備する必要があります。
簡易的ではありますが、一時的にセットしてみた画像がこちらになります。
この後、コントローラーユニット、スロットルと配線するのですが、接続コネクタの規格が違うので別途加工が必要です。今回は3ピンコネクターではなく、もともと使われていたコネクタタイプに合わせてあります。
コネクタ加工したラインは、スロットルラインとイグニッションラインになります。
最終的にどのようになったのかを動画にとりましたので、紹介します。
改造前
改造前の走行動画がありませんでしたので、YOUTUBE上の動画をお借りしました。
改造後
(スペーサーを入れていないのでナットが緩んでいます。この後、スペーサーを入れて固定しました)
見事にとても不快であったシャリシャリ音がなくなり、ウィィィィンという静かな音になりました。
最後に
サイズ感を含めて調べずに今回は購入したので、内心ヒヤヒヤしておりました。特に大きな欠点もなくハブモーター化できたと思っております。次回の記事では乗り心地についてまとめてみます。
今回バッテリーは鉛蓄バッテリー48V4つをセットしてみましたが、重すぎて使えないと言ってもいいです。一度リチウムバッテリーの軽さを知ると二度と戻れないです…